本展出品作品はもちろん、不出品の重要文化財指定品も含む全68件の作品をオールカラーで収録。なんと68件すべてに作品解説がついた充実の一冊です!その他、重要文化財指定制度のあゆみに関する論文やコラムも収録。近代日本美術の教科書とも言える決定版図録です。
本展の音声ガイドのナビゲーターは、フリーアナウンサーの新井恵理那さんと声優の小野大輔さんが担当します。発表当初はそれまでにない新しい表現を打ち立てた「問題作」とされた作品が、どのような評価の変遷を経て「傑作」と認められ、重要文化財に指定されるに至ったのか・・・その秘密を解き明かす旅へ出掛けませんか?小野大輔さんが「ヒミツ案内人」役に扮し、展示作品にまつわるクイズを出題。新井恵理那さんの解説ナレーションをヒントに、ぜひ一緒に謎解きに挑戦してみてください。なお、新井恵理那さんは、今回が美術展覧会の音声ガイドナビゲーター初挑戦となります!是非ご期待ください。
「重要文化財の秘密」で実際に鑑賞してみたい作品は?
川合玉堂の《行く春》です。絵にワープする感じがしました。大きい作品でしょうし、実際に目の前にしたらどんな景色が見れるのか想像が膨らみます。いろんな角度から見てみたい作品です。萬鉄五郎の《裸体美人》も、発表当初は評価が散々だったとのことで、時代を先取りすぎた作品を、今自分が見たらどう感じるのか楽しみです。
立体作品も印象的です。以前、鳥を飼っていて、鷹を飼ってみたいなと思ったこともあったくらい鳥類が好きなので、鈴木長吉《十二の鷹》はどのくらいリアルなのか気になります。
新井さんならではの美術展の楽しみ方はありますか?
美術展にはふらっと行くことが多いです。ゆっくり順番通りに見る王道の鑑賞方法ですが、最初は遠くから、作品情報は見ずに絵だけ見て自分の感じたことを大切にするよう心がけています。そのあと、近くで作品を見てじっくり楽しみます。音声ガイドを聴いて世界観に没入することもあります。
今回が音声ガイド初挑戦ですが、普段のお仕事と違う、音声ガイドならではのポイントは?
美術館が好きで、音声ガイドナビゲーターに憧れがありました。実際に自分が美術館で聞くナレーションを想像しながら、作品鑑賞の邪魔にならないように心がけて収録しました。
展覧会の内容が面白いので、学びつつ楽しみながらナレーションすることができました。絵をただ見ただけでは知り得ない作者の思いや、背景などを知ることができて作家に愛着が沸いてハートフルでした。
展覧会を楽しみにされている皆様へのメッセージをお願いします。
近代美術オールスター勢揃いの展覧会で、美術ファンの方々には作品の魅力をご堪能いただけると思いますし、近代美術になじみがない方にも楽しくご鑑賞いただけると思います。海外の風を感じながら、新しい制作にチャレンジした作家たちの努力を見ることができるのは、とても面白いし、リフレッシュにもなると思います。
フリーアナウンサー。アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれ。青山学院大学総合文化政策学部卒業。大学2年生の時にミス青山コンテストグランプリに選ばれる。大学在学中にセント・フォースに所属。現在は、テレビ朝日系「グッド!モーニング」、TBS系「情報7daysニュースキャスター」などの報道・情報番組の他、バラエティー番組など、レギュラー番組多数。趣味は、ジュエリー制作で、自身のYouTubeチャンネルでは様々なアーティストとコラボを続けている。
「重要文化財の秘密」で実際に鑑賞してみたい作品は?
高村光雲の《老猿》は、もともと好きで東博で何度も見ました。「重要文化財の秘密」でも見られるのが嬉しいです。角度によって様々な見え方がありますし、緻密さが魅力なので、細部までじっくり見てほしいです。意外と毛深いんですよね(笑)
あと、画家が自身の恋人や奥さんを描いた絵が好きなので、黒田清輝の《湖畔》にも注目しています。涼やかな作品ですが、得も言われぬ優しさや愛情を感じます。とても有名な作品なのに、重文指定が1999年と最近であることも印象的です。
小野さんならではの美術展の楽しみ方はありますか?
絵にまつわるバックボーンを知りたいので、解説パネルやキャプションをしっかり読むし、必ず音声ガイドを聴きます。作品の背景を知ることで、よりその作品が心に刻まれるし、作品の持つ魅力を知ることが出来ます。重文展は、作品によって重文指定への経緯が多岐に渡っていて、とても面白いです。
普段のお仕事と違う、音声ガイドならではのポイントは?
音声ガイドはあくまで鑑賞の補助となるものなので、鑑賞する人の邪魔になってはいけないなという気持ちがあります。自分が実感したものを言葉にしてナレーションしないと、説得力が出ないし、ナレーションとして成立しないと思っています。これはいつも心がけていて、難しくもあり面白いところです。目指すのは、自分が聴きたい音声ガイド。そして、今回はヒミツ案内人という役があったので、こういう人が一緒に回ってくれたらいいな、と思っていただけるように読みました。
最後に、「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」や音声ガイドを楽しみにされている皆さまに、コメントをお願いします。
近代美術の傑作たちが一堂に会する貴重な機会だと思います。作品がどのように重要文化財に指定されたのか、そのバックボーンを深く知ることができて、作品がより魅力的に感じることと思います。将来、国宝になる作品があるかもしれないし、未来への希望が感じられるような知的好奇心をくすぐられる展覧会です。
声優。主な出演作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(空条承太郎)、『宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち』(古代進)、『おそ松さん』(松野十四松)、『進撃の巨人』(エルヴィン・スミス)など多数。アニメに限らず『ワンダーウーマン』スティーブ・トレバー役、『ドクター・ストレンジ』モルド役など吹替でも幅広いキャラクターで活躍。
展覧会会場入口にて、専用ガイド機を気軽にレンタル!
配信期間中は、いつでもどこでもなんどでも視聴可能。
展示替え作品を含む、全ガイドを収録した完全版!